映画作りは、終わりのない祭。
作り手が、自らの想いや情熱を映像として具現化していく中で、スタッフやキャストなど多くの人々を巻き込んでいく。そうした作品は、完成さえすれば、“the end”というわけにはいかない。
1人でも多くの観客に観てもらい、それが激賛であれ罵倒であれ、リアクションを貰うのが、肝要だ。作品も作り手も、そうやって鍛えられ、成長していく。
そしてその映画が観続けられるかぎり、更には作り手が映画を作り続けていくかぎり、祭は終わらないのである。
私は“インディーズ映画”の登龍門のひとつ、「田辺・弁慶映画祭」に長年関わり、そうした光景を数多、目の当たりにしてきた。
地域発の映画祭として新たに関わることになった「熊谷駅前短編映画祭」は、その名の通り30分以内の短編を対象とする。その作り手たちにとっては、「シネティアラ21」という劇場と直結した、有意な映画祭となる筈だ。
多くの作り手たちが、終わりのない祭へと向かう、スタート地点となる。そんな映画祭を目指したい。そして映画祭自体も、共に育っていけるのならば、まさに本望である。
松崎まこと(映画活動家/放送作家)
1964年生まれ。早大一文卒。90年代より数多くのラジオ・テレビ番組の構成を担当。現在は「水道橋博士の異常な対談」「小西克哉/ニュースさかさメガネ」などYouTube番組の構成やプロデューなどを手掛ける。
インディーズ映画の登竜門「田辺・弁慶映画祭」には2007年のスタート時より関わり、現在MC&コーディネーターを務める。「日本国際観光映像祭」「東京ドキュメンタリー映画祭」「SAITAMAなんとか映画祭」「きりゅう映画祭」「SKIP国際Dシネマ映画祭」などで審査員。洋画専門チャンネル「ザ・シネマ」HPにコラムを連載中。
X:@nenbutsunomatsu
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