
審査委員長、松崎まことのコメントは、優秀賞の欄に掲載しております。
グランプリ
『あなたの影』 監督 中沢志保




審査員特別賞
『Lelaina』 監督 長棟航平




俳優賞
大須みづほ 『あなたの影』




大塚菜々穂 『大晦日』

中山雄斗 『Lelaina』




百瀬葉 『河童になる』




シネティアラ21賞
『餃子と白米』 監督 柳 琦




観客賞
『ふたりの吉田』 監督 岡田奈津美


優秀賞
『また、廻り逢う』 監督 れきな
中学生らしい“真っ直ぐさ”が映画に向かったことに、喜びをおぼえました。
それを支えるご家族のサポートも素敵です。
これからも作品を撮り続けて、是非“映画監督”という夢を果して欲しい!


『餃子と白米』 監督 柳 琦
社会的テーマも内包しながら、ごく短い尺でバシッとオチまで極める!
これぞ“ザ・短編”の醍醐味!!監督自ら演じるヒロインを苛立たせる、
面接官のキャストも絶妙でした。


『夜明けのスケッチ』 監督 坂本幸基
簡単には捨て切れない、「若き日からの夢」。
いつまでそれを追い続けるのか?本当に諦めることができるのか?
監督自身が己を叱咤激励しながら、問うた映画とも感じられました。


『水辺の余興』監督 上島信彦
それまでの日常を捨てて、郷里へと帰る女性の最後の1日…。
初対面で、しかも多分もう会うことのない出入り業者の男性との交流が、
彼女の心の澱を消していく。すっと胸に入ってくる、優しい物語でした。


『チコ』 監督 シェークMハリス
大切な存在を喪失し、悲しみが癒えてしまうことに抗うかのような少年…。
いつの日にかは癒えてしまうからこそ、こうした感情は大切なのだと、
主人公の“成長”を目撃しながら、感じ入りました。


『ルサンティール』 監督 小原正至
“ロトスコープ”という極めて手間が掛かる手法を駆使して描く、
海外を舞台にしたラブストーリー…と思いきや、唖然仰天のクライマックスが!
小原監督の変態的な作家性(褒め言葉です)が、強烈な印象を残しました。



『ペアリング』 監督 中村好伸
ショートストーリーの中で、「現代の怪談」を追及する中村監督。
近年は“SF”や“ヒーローもの”という枠組みで多用されている設定を、
住み慣れている筈の住居に於ける“怪異譚”に昇華した点が、ユニークでした。


『河童になる』 監督 山科晃一
コロナ禍での挫折から立ち上がって“河童になる”という設定の面白さ。
主人公と“タネちゃん”の絶妙な関係性が最高!
俳優陣の個性と存在感を際立たせたナチュラルな演出が、お見事でした。


『定食屋2.0』 監督 遠藤 卓
ちょっと目先を変えること、偏見を捨てて小さな一歩を踏み出すだけで、
“世界”の見え方は変わっていく。
遠藤監督の故郷“埼玉”への想いが結実した、素敵なストーリーにほっこりです。


『伊藤のカルマ』 監督 岡本 崇
バンドの費用を稼ぐためのアルバイト面接で、
変なおとな達と演奏するハメになる女の子のお話かと思いきや…。
まったくあさっての方向にドライブしていく展開が、ヤバかったです。


『銀河健康センター』 監督 坂田敦哉
“砂の惑星”で生まれ育った少女が、真のサウナを求めて旅立つまで。
藤子・F・不二雄的世界観への憧憬も鮮烈に、
“DIY SF”を作り続ける坂田監督の新作シリーズ第1弾!快作でした!!


『シャット・アップ』 監督 マカ・ママレード
事故で引き籠もってしまい、生業だったピアノに触れられなくなった女性。
そんな彼女の一晩の恐怖体験を描いたホラー作品。
今回応募があった117作品の中で、最恐レベルで怖かった作品です。


『ふたりの吉田』 監督 岡田奈津美
バイト仲間の距離感って、不思議なものです。
たまたま居合わせてしまった同姓の2人が、
反発から始まって、お互いがかけがえのない存在になっていくまで。じわっと沁みる作品でした。


『密談長屋』 監督 Abu Shahed Emon
多国籍だった撮影現場はカオスだったと伺いました。
それが京都の“撮影所”という場を駆使して、伝統的な“時代劇”という枠組みに集約していく。
昨今の流れもありますが、世界に向かうのは、こうしたコンテンツなのかも知れません。


『あなたの影』 監督 中沢志保
“影”しか描けない画家と、それに惹かれてしまう介護士の女性。
この設定を思いつき、この純朴なキャラたちを十全に生かした展開がお見事でした!
審査員満場一致の“グランプリ”だったことを、付記しておきます。


『大晦日』 監督 瀬浪歌央
居場所だった筈の空間が、ちょっと離れている内に居心地が悪くなって…。
歳末の京の都を、リアルに捉えた空気感。
その中をあてどなく彷徨う、大塚菜々穂さん演じるヒロインの姿が、「いとおかし」でした。


『スマホの中のエイリアン』 監督 川中 玄貴
流行りの“縦型”映画!?と、一瞬身構えさせられましたが、
それは内容に沿った、実に「映画的」な趣向であるという、ユニークなSF作品。
“エイリアン”との対話を行う主人公の佇まいも、作品にハマっていました。


『Lelaina』 監督 長棟航平
この作品のタイトルロールであるヒロイン“リレイナ”は、
多くの男たちの甘く切ない、そして辛かった想い出を掻き立てる“偶像”と言えるだろう。
監督が一目惚れしたという、中山雄斗&後藤さりのマッチングも、とにかく素晴らしい!

