埼玉県熊谷市で映画祭を始めます

初めまして。和歌山大学観光学部で教授をつとめる、木川剛志と申します。このたび、熊谷市の映画館、シネティアラ21さんとの縁から、熊谷駅前短編映画祭の立ち上げに関わり、映画祭でもプログラムディレクターとなることとなりました。実は映画祭にはいろいろ関わっており、福井駅前短編映画祭、きのくに学生ドキュメンタリー映画祭の立ち上げを行い、それぞれプログラムディレクター、ディレクターの役割を担っています。また、映画祭とは少し違いますが、日本国際観光映像祭という観光映像に特化した映像祭の立ち上げ、またディレクターとしても関わっています。

木川剛志 プログラムディレクター

和歌山大学観光学部教授。1976年京都市上京区上七軒界隈生まれの滋賀県大津市育ち。1999年京都工芸繊維大学造形工学科卒業、2002年 The Bartlett School of Graduate Studies, University College London修士課程修了。帰国後、京都工芸繊維大学機能科学専攻博士後期課程に入学し、2006年博士(工学)。同年、福井工業大学経営情報学科講師。福井県でまちづくりに関わるうちに映像製作を覚える。2015年、日本で唯一の国立の観光学部を持つ和歌山大学に異動し、現在に至る。Japan World’s Tourism Film Festivalを立ち上げ代表をつとめる。現在、自作のドキュメンタリー映画「Yokosuka1953」の全国公開が続いている。

現在、和歌山に住んでいますが、以前は福井市に住んでいました。福井には現在、3つの映画祭があります。よく、なぜ一つの県にそれだけの映画祭が必要なんですか?と聞かれることがありましたが、それぞれの映画祭は上映する映画の傾向も、開催趣旨も、開催形態も違います。そして、福井市には映画館自体も多くあります。映画は多種多様です。そして、地域に映画文化が根付いていれば、様々な映画館、そして映画祭があっていいはず。そう考えています

コロナ拡大以前は、多くの映画祭がありました。それこそ、一時期は全国に200以上の映画祭があると言われていた時期もあります。ネット上の資料だと、全国映画祭リストというものもあり、そこには2018年の段階で186の映画祭がリストとして載っています(既に無くなっている映画祭もありますし、2018年の段階で開催していた福井駅前短編映画祭が無かったりするので、正確な数ではありません)。

では、これだけの数があるなか、熊谷駅前短編映画祭は何を目指すのか。実は多くの特色があります。最も応募監督にお知らせしたいことは、この映画祭がシネティアラ21というシネコンで開催するということです。DCPでの上映となりますので、上映のクオリティが非常に高い映画祭となります。また、上映作品に関しては映画祭実行委員会でDCPへの変換を無償にて行います。さらに、上映作品の中からいくつかは映画祭後に、興行として上映を行いたいと思います。もちろん、条件を決めた上で映画料をお支払いする形で。

熊谷市は確かに東京から1時間かかる場所にあります。でも、福井、和歌山から見れば、たった1時間の場所です。ここで短編映画をまずは映画祭でしっかりと上映して、みなさんとこれからの映画のあり方を議論し、さらに商業上映へと展開していく。それが東京近郊で行われる。ここには大きな可能性があります。

私は大学教員として映画に関わり、映画の教育的効果を考えています。それは大学や高校での教育ということではなく、このような不確実な時代をどのように生きるのか、それを考える教育です。地方が今後も生き続けるには何が必要なのだろうか、それを考えることです。

多くの素晴らしい作品が集まり、実りある議論が行える映画祭になるよう、尽力します。よろしくお願いします。

木川剛志(和歌山大学観光学部教授)

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